京都市民の怒り爆発寸前? JR嵯峨野線「インバウンド大混雑」、JR西が抜本的対策を採らないワケ

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京都市を走るJR嵯峨野線の混雑が深刻さを増している。嵐山地区へ向かう外国人観光客が殺到しているためだが、抜本的な混雑解消策は取られないまま。どうしてだろうか。

投入できる車両に限界

2019年6月撮影。竹林の道で京都の風情を味わう観光客ら(画像:高田泰)
2019年6月撮影。竹林の道で京都の風情を味わう観光客ら(画像:高田泰)

 嵯峨野線のダイヤは2022年、コロナ禍による外国人観光客の減少を受けて減便された。嵯峨嵐山駅に停車する普通列車は日中でおおむね20分間隔、基本的に4両編成に。その後、外国人観光客が増加したにもかかわらず、2023年のダイヤ改正で増便されなかった。

「減便のまま」

増える外国人観光客に対応しようとしているわけだ。

 どうして抜本的な対策が採られないのか。

 関係者によると、嵯峨野線を運行する車両に問題があるという。嵯峨野線の普通列車や快速列車に使用されているのは、転換クロスシート2列+2列の221系、2列+2列もしくは2列+1列の223系。通勤列車に多い横向き座席のロングシート車に比べ、通路スペースが狭くなる。

 関空快速や紀州路快速などで使用されていた通路の広いタイプの223系が一部回されているが、滋賀県の草津線や湖西線で旧国鉄時代から運行していた古い車両が2023年3月に役目を終え、221系や223系が後継になった。このため、嵯峨野線に投入できる車両に限りがある。

 他の路線を走るロングシート車を持ってくれば解決策になるが、JR西日本の中で嵯峨野線の優先順位はそれほど高くない。コロナ禍前の2019年度で1日当たりの駅乗降客数を見ると、多くの路線が発着する京都駅はJR西日本管内で2位だが、嵯峨野線の駅でトップ50に入った駅はない。

 国土交通省によると、中京区の二条駅が2万7236人、亀岡市の亀岡駅が1万7496人、中京区の円町駅が1万7050人、嵯峨嵐山駅が1万6850人。観光路線だけに混雑ぶりが余計に目立つが、乗降客数5万人以上の駅が並ぶ神戸線、京都線、大阪環状線などに数字で見劣りする。

 だが、京都を訪れる外国人観光客はコロナ禍前に匹敵する勢いになりつつある。このままでは積み残しが常態化するなど市民生活への影響が大きくなる一方だ。JR西日本もそろそろ重い腰を上げる時期に来ているのではないだろうか。

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