「日本の鉄道 = 安全」は傲慢な発想だ 中国高速列車の衝突実験動画に見る、「相手を貶めて留飲を下げる」一部鉄道ファンの危うい反応
6月、人民網日本語版で中国の高速列車の衝突実験が動画で紹介された。それに対するコメントは、相変わらず中国を見下したような内容ばかりだった。この風潮は危険である。
日本でも発生している衝突事故

一方で、
「日本の鉄道は安全」
「衝突しない」
という考えは、少々おごった考えではないだろうか。
踏切での接触のような外的な要因はさておき、頻度の差はあれども、衝突事故は日本でも発生していることは否定できない。
過去10年で、ぱっと思い浮かぶだけでも東横線の元住吉駅での衝突事故や京浜東北線の脱線転覆事故、金沢シーサイドラインの逆走事故などが発生し、衝突を伴わない脱線も含めれば、かなりの数の事故が発生している。
もちろん、現場で働く乗務員や駅係員など鉄道に従事する人たちは常に安全へ気を配り、事故の防止に努めていることは間違いなく、こうした安全意識はほかのどこの国と比較しても日本が圧倒的に高いことは間違いないが、人間が、いや機械であってもちょっとしたミスや誤作動が事故へつながる。
最近の日本の車両も、衝突安全性が飛躍的に高まっているが、その取り組みは、こうした万が一の際に少しでも被害を軽減させるためのものであることを忘れてはならない。