「水素トラック」は何が新しくて、どこが欠点なのか? 意外と知らないメリット・デメリット、トナミ運輸ら6月実証走行から考える
物流大手のトナミ運輸は6月27日、かねてから開発を行ってきた水素エンジントラックの走行実証実験開始を発表した。水素を燃料とする内燃機関の得失とは。
液体水素エンジンverも現れるか
もうひとつ、今回の実証実験車両は既述の通り高圧水素を使っている。しかし最新の技術情報においては、水素エンジンにおける燃料は気体から液体へとスイッチしようとしている。この分野で先行しているのはトヨタであり、既に耐久レース用車両で一定の実績を記録している。
今回、使用している車両がトヨタの傘下にある日野製のレンジャーということで、どこかのタイミングでトヨタとのジョイントもあったのではないかと推測したが、そうではないことに違和感を覚えた。
新しい技術を一日も早く実用化し、コスト上の問題を全てクリアした上で商品化する。そのためには、常に全方位にアンテナを張り巡らせることが求められる。トラックのようなコスト管理条件が厳しい車両であれば、その時点で得られる最良の技術を使う――将来的な安定事業化が前提なら、それもまた大切だ。
今回の実験終了後、さらなる進化型として、液体水素エンジンを使ったトラックが走らないだろうか。そこから先に新たな未来が広がるものと期待したい。