自動車免許を取ると、なぜ「原付」も運転できるようになるのか?

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普通自動車免許を取ると、原付も運転できるようになる。その背景を調べたところ、時代とともに変化してきた運転免許の歴史があった。

元はひとつの免許だった

原付(画像:写真AC)
原付(画像:写真AC)

 原付が制度の枠内に組み込まれる過程で、自動車の免許制度も整理が行われ、大型免許や二種免許など制度が生まれている。この過程で戦後間もなくまで残った普通免許(四輪普通車免許)は特殊な扱いとなった。

 前述のとおり、もともとほぼなんでも運転できる免許だったことから、制度が変わっても、自動的にけん引と大型特殊車両以外は全て運転できた。令和の現在では、その免許を更新し続けている人は残っていないが、昭和末期までは「なんでも運転できる」という免許を持っている人は残っていた。

 また、二輪車の免許も1975年に自動二輪免許と中型免許が分類されるまでは、何でも乗れた。そのため、1974年までに二輪車の免許を取得した人は、自動的に大型二輪免許になっている。こちらは、まだ現役で運転している人がいるかもしれない。

 普通自動車の免許を取得するだけで、原付も運転できるのは、元はひとつの免許で、運転できる車両の種類が多かったことの“名残”といえる。昨今、さまざまな新しいスタイルのモビリティが登場しているが、いずれこれらも免許が必要になる時代が来るのかもしれない。

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