新幹線はなぜ「沼津駅」に停車しないのか? 三島より大きな都市にもかかわらず、という謎

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静岡県東部にある三島市には、三島駅という東海道新幹線の駅がある。しかし同市は地域最大の都市ではない。いったいなぜなのか。

開業に協力した沼津市

三島駅(画像:写真AC)
三島駅(画像:写真AC)

 しかし、疑問はここからだ。当時の沼津市民はなぜ、新幹線駅が三島市に「取られる」ことに反対せず、三島市への設置で納得したのだろうか。

 前述の山田氏の選挙区は、当時の静岡2区(定数5)である。現在とは異なり中選挙区制だったため、選挙区は沼津市や三島市のほか、

・熱海市
・御殿場市
・下田市

も含んでいた(山田氏は熱海市出身)。

 そのような状況下において、三島市より人口の多い沼津市民がもし反対すれば「三島市に新幹線駅設置を目指す」とは決していえなかったはずだ。ここからも、沼津市民は反対しなかったことが理解できる。

 反対しなかっただけではない。新幹線三島駅の開業まで、両市は一体となって新幹線駅を求める運動を行ったのだ。なんと、沼津市は設置決定後の負担金も支払っている。つまり、新幹線三島駅の開業に

「協力していた」

のである。ちなみに、協力の事実を示す資料は多いが“反対しなかった理由”を示す資料は見当たらない。

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