“園児置き去り事故”を根絶したければ、各幼稚園の「ローカルルール」を結集させなさい

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子どものバス置き去り事故の再発を防止するためには、何をするべきなのか。心理学を手掛かりに考える。

安全のための「努力」に光を

幼児バス(画像:写真AC)
幼児バス(画像:写真AC)

「うまくいくことに注目すること」の良い点はもうひとつある。

 現場の人たちは多かれ少なかれ、日々、事故を起こさずにうまくいくための努力や工夫をしている。しかし、事故は注目されるのに、安全に業務をこなしていることは注目されない。そればかりか、当たり前だと思われているので、誰からも褒めてもらえない。これでは安全のための努力を続ける

「モチベーションの維持」

は難しい。

 しかし、安全のための努力が注目されたらどうだろう。素晴らしい取り組みとして称賛され、同業者に紹介されたらどうだろう。称賛された人やその様子を見ていた人は、安全のために今やっている努力をこれまで以上に確実に続けていこうと思うはずである。そして、安全のために

「もっと何かできないか」

考え始めるはずだ。

 つまり「うまくいくこと」に注目すれば、安全のために日々人知れず努力を続けてくれている人たちを勇気づけられるのである。そして安全のための努力をまだしていない人たちにも「安全のために頑張ろう」と思ってもらえるのである。その結果、社会は今よりもっと安全になっていくだろう。

 繰り返しになるが、置き去り防止装置が義務付けられ「装置をつけたから安心だ」と思い込むのは間違いである。装置は1枚のチーズにすぎない。これまでやっていた対策や手順も続けるべきだし、必要に応じて改良をしてチーズの穴を小さくしていくべきだ。

 また、各地に眠っている安全のための知恵に光を当て、優れた方法を探し出し、チーズの枚数を増やしていくべきだ。そして、悲しい事故をもう二度と起こさないように、日々安全のための努力を続けている人たちに敬意と感謝を示していく必要があるだろう。

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