“園児置き去り事故”を根絶したければ、各幼稚園の「ローカルルール」を結集させなさい
子どものバス置き去り事故の再発を防止するためには、何をするべきなのか。心理学を手掛かりに考える。
困難な自動検知の“さじ加減”
自動検知式は、センサーなどによって人が取り残されていることを検知すると警報を鳴らす方式である。こちらは確認の主体が機械なので、急ぎや考え事などによる見落としは起きない。
しかし、これも完璧ではない。座席下など、
「センサーが検出できない場所」
に子どもが隠れてしまうこともある。感度を上げすぎれば虫などのほかの生き物にも反応する可能性があり、誤報を頻発すれば“オオカミ少年”のように警報は信頼されなくなる。一方で感度を下げすぎれば欠報が発生し、本来の役目を果たさない。この“さじ加減”は簡単ではなさそうだ。
さらに、機械の故障率は人間のエラー率に比べれば低いかもしれないが、4万4000台もの装置全てが、高温や振動などの車内の過酷な環境に耐え、何年間も全く壊れずに正常に動作し続けるとは考え難い。
こういった事態を想定して、国交省のガイドラインには
「装置が故障・電源喪失した場合には、運転者などに対してアラームなどで故障を通知すること」
とあるが、故障を検知したり通知したりする部分が先に壊れてしまえば、この機能は役に立たない。