EV天国「ノルウェー」の不都合な真実 極寒走行テストで判明した意外な結果とは? メーカーの草刈場にされる懸念も

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新車販売台数のうち、EVが驚異的な割合を記録している国がある。それはノルウェーだ。2022年は新車販売台数の約8割を占めている、そんなEV先進国の落とし穴とは。

走行テストの結果

EVの充電イメージ(画像:写真AC)
EVの充電イメージ(画像:写真AC)

 ここで、ノルウェーの0~-19度の環境下で走行テストを実施し、WLTPモード(乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法による値)と実際の航続距離を比較したデータをいくつかピックアップしてみよう。

・Maxus Euniq6:354km → 317km(▲10.45%)
・BMW i4 eDrive40:565km → 434km(▲23.19)
・Tesla Model Y 2WD:455km → 337km(▲25.93%)
・Toyota BZ4X 2WD:503km → 323km(▲35.79%)

 このテストで最も優秀なEVは、中国の上海汽車集団(SAIC)のMaxus Euniq6である。最も悪いスコアを記録したのは、Toyota BZ4X 2WDだった。29車種テストしたうち19車種が、20~29%の範囲で短くなっている。航続距離でいうと、おおむね

「-100~-150km」

といったところだ。

 冬季における航続距離の損失は、車種により異なっていることから、将来的には冬季航続距離テストの値をWLTPの結果に含めるなどして、公表すべきではないかという意見もある。

 また、タイヤの粉じんについては、EVはガソリン車と比較して車両重量がはるかに重いため、タイヤやアスファルトの摩耗によって発生した微小な粒子による大気汚染の拡大が懸念されている。例えば、日産サクラとデイズの車両重量を比較してみよう。

・サクラ(モデルX):1070kg
・デイズ(モデルS):840kg

 車の形状こそ同じであるが、車両重量は約200kgも異なるのだ。EVのサクラは、デイスにはじめから大人3人分の重量が加わっていると考えれば、いかにEVが重たいかがわかる。

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