EV天国「ノルウェー」の不都合な真実 極寒走行テストで判明した意外な結果とは? メーカーの草刈場にされる懸念も
新車販売台数のうち、EVが驚異的な割合を記録している国がある。それはノルウェーだ。2022年は新車販売台数の約8割を占めている、そんなEV先進国の落とし穴とは。
「充電」「航続距離」「粉じん」という課題
新車販売におけるEVのシェアがここまで増えてくると、都市部ではますますエンジン音や排ガスから解放され、いわゆる
「EV推進派」
にとってうれしいかぎりだろう。しかしながら、EV化がここまで進んだからこそ、社会問題として顕在化してきた課題もある。
ヨーロッパにおけるメディアの、EVに懐疑的なコラムや記事をチェックしてみると、次の課題3点が見えてくる。
・充電設備と充電時間
・航続距離
・タイヤの粉じん
まず、EVの爆発的な普及に、充電設備が追いついていない現実がある。2012年に3187か所しかなかった充電ステーションが、2021年には約19万か所となったものの、それでも不足している。
急速充電で30分必要とする場合、充電器1台で1時間2台のEVしか充電できず、充電器が10時間フル稼働しても、1日あたりせいぜい20台しか充電できない。週末になると、充電待ちの渋滞が常態化しても何の不思議はない。
EVの航続距離については、最も寒い時期で平均最高気温が-1度となる冬場にどうなるかは、気になるところだろう。