迷惑なだけじゃない 「違法駐車」が日本経済に及ぼす悪影響をご存じか

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違法駐車摘発件数は減少傾向にある。ただ、そのなかには悪質なケースもある。データでは可視化されにくいそれらに対し、どのように対策していくのが賢明なのか。

緩和傾向にある駐車規制

路上駐車のイメージ(画像:写真AC)
路上駐車のイメージ(画像:写真AC)

 警察庁交通局がまとめた全国違法駐車摘発件数(2022年4月1日時点)は91万2603件に上る。この数字は対前年比10.0%減である。減少の背景は、主として、コロナ禍を理由にクルマを使って出掛ける機会が減ったことと推定されている。

 違法駐車摘発件数そのものは、基本的に減少傾向にある。理由は

・駐車監視員を導入した
・駐車規制(駐車禁止区間)を交通の実情に合わせて緩和した

ことなどもある。

 駐車規制緩和について、具体的な数字としては2004(平成16)年1月から2022年3月までの間に、

「全国で4万6038区間」(距離にして3万4392km)

での緩和を順次実施し現在に至っている。つまり路上での駐車は、条件さえ整えば容認される方向へと進んでいるのである。

警察庁のデータをどう読み解くか

駐車車両への衝突による交通事故の推移。2004~2021年(画像:警察庁)
駐車車両への衝突による交通事故の推移。2004~2021年(画像:警察庁)

 警察庁がまとめたこれらの駐車違反件数データは、数字として正確である一方、その違反内容の詳細がわからないという問題もある。

 すなわち、摘発された駐車違反のなかで悪質だったケースだ。具体的には、実際どれほど

・他の交通の妨げとなったのか
・事故の引き金になったのか

といった影響については別のデータを参照する必要がある。今回は、別にまとめられた駐車車両と走行車両との衝突による人身事故件数を見てみよう。

 2021年度での全国データによると、人身事故の総数である30万5196件のなかで671件というもの。ちなみに、同年の全国死亡事故件数は2583件。そのなかで駐車車両との衝突によるものは31件。死亡者の数は34人だった。

 このほか、直接衝突はしなかったものの、駐車車両の存在が引き金となったと思われる事故の総数が同じく同年で894件。そのなかで死亡事故は9件。死亡者数は9人だった。ただしこれらの数字は、駐車車両の状態が合法だったか違法だったかについて言及がない。

 これらの数字をどう読み解くか。もちろん駐車車両より走行車両に問題があった例もあるだろう。事故の総数に占める割合はそれほど多くはないと捉える意見もあるかもしれない。しかし

「駐車車両がいなければ起こらなかった」

事故というのも、また事実である。

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