「電車内の化粧」を嫌っていたのは、男性より“女性”だったという意外な現実

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「電車内の化粧」は電車内の迷惑行為のひとつだ。民鉄協アンケートからその変遷をたどる。

民鉄協アンケートの結果

2022年「お客様が迷惑と感じる行為」(画像:日本民営鉄道協会のデータを基にMerkmal編集部で作成)
2022年「お客様が迷惑と感じる行為」(画像:日本民営鉄道協会のデータを基にMerkmal編集部で作成)

 「電車内の化粧」については、以前から話題に上がっていた。若者だけでなく中高年の女性の化粧さらには男性の化粧が目撃されるようになった現在だが、どのようにとらえられているのだろうか。

 日本民営鉄道協会(東京都千代田区)が2022年の秋にインターネット上で「駅と電車内のマナーに関するアンケート」を実施した。3305人が気になる迷惑行為を最大三つまで選択したものを集計した。

・1位:座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)(34.3%)
・2位:騒々しい会話・はしゃぎまわり(33.9%)
・3位:乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)(27.0%)
・4位:荷物の持ち方・置き方(24.0%)
・5位:周囲に配慮せず咳やくしゃみをする(22.3%)
・6位:スマートフォン等の使い方(歩きスマホ・混雑時の操作等)(18.7%)
・6位:ゴミ・ペットボトル等の放置(※)(18.7%)
・8位:酔っ払った状態での乗車(15.9%)
・9位:優先席のマナー(14.4%)
・10位:ヘッドホンからの音もれ(13.7%)
・11位:その他(10.7%)
・12位:エスカレーター・エレベーターの利用の仕方(10.3%
・13位:車内での化粧(10.2%)
・14位:電車の床に座る(8.8%)
・15位:混雑した車内での飲食(8.0%)
・16位:電子機器類(パソコン・携帯ゲーム機等)の操作(4.0%)
・17位:ペットの持ち込み方(2.1%)
・18位:特にない(0.6%)

「電車内の化粧」は、順位は13位とそう高くないものの、10.2%なので、10人にひとりが、自身の中でワースト3に入る迷惑行為だと感じている。

 これは2022年秋の結果であり、当時はマスク装着率が高く、マスクで顔の大部分が隠れるので、あまり化粧する必要性がなかったこともあるかもしれない。

 毎年行われるこのアンケートが始まったのは2000(平成12)年で、2003年は化粧することが第5位だった。2009年からは現在のように最大三つまで気になる迷惑行為を選択できるようになったのだが、2009年は第6位で18.4%だった。

 しかし「電車内の化粧」は、順位も割合も下降傾向にあり、2019年からは10%台後半になることがなくなった。当初の驚きを経て、ありふれた光景になったからだろうか。隣などにならない限り直接的な被害がないからだろうか。

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