そういえば、バイクの「運転代行サービス」はなぜ存在しないのか?
2割以上の人が利用経験者
自動車の運転代行サービスは年々、その需要を増している。ドライバーのなかには利用経験がある人も少なくないだろう。
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マーケティングリサーチ企業のGfKジャパン(東京都中野区)の調査によると、2017年時点で「運転代行サービスを利用したことがあるか」の質問に対し、全国平均は23%だった。一方、東北では48%、北関東と北陸では46%と、エリアによっては利用者が多かった。
過去1年間で少なくとも1回以上利用したという条件下で、年代別で比較してみると、20代が68%でトップだった。利用した理由の約9割が
「飲酒をしたため」
だった。このように、自動車の運転代行サービスは若い世代を中心に利用されているのだ。
運転代行サービスの歴史
運転代行サービスの始まりは、1950年代の黒部ダム建設工事で生み出されたとされている。月1~2回の休日で、工事作業員が工事現場から富山市内の飲食街へ繰り出すものの、道中の移動手段が作業車両しかなく、帰宅時は飲酒運転になる危険性もあった。
そこで、店の従業員が客の車を運転して目的地へ運び、追随する車で帰るという手段を生み出した。このシステムが元となり、1960年代から地方で運転代行サービスの提供が開始された。以後、地方を中心に日本各地で普及していった。
具体的な法が定められたのは、2002(平成14)年に施行された「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(通称:自動車運転代行業法)」であり、それまでは明確な基準がなかった。
自動車運転代行業法の施行で運転代行サービスが正式に定義され、業者数は着々と増加していった。警視庁の発表によると、全国における運転代行サービス業者数は、2002年度は4148件であったのに対し、2021年度は
「8106件」
と、2倍近くとなっている。
さらに、全国運転代行協会調べによると、2019年度における運転代行サービスの全国推定市場規模は
「680億円以上」
と推測されており、今後も需要はさらに伸び続けるとされている。
そんな自動車の運転代行サービスの需要が高まりつつあるなかで、実は“バイク”の運転代行サービスは存在しない。一体なぜなのか。