トヨタの給与は「8%」減? 正社員・非正規の格差是正で“正社員の待遇”を下げるのはアリなのか
日本の雇用者6032万人のうち、35%は非正規雇用者である。そんな彼らの賃金は正規雇用者の“6割程度”だ。格差是正のため「同一労働同一賃金」は達成できるか。
好景気下という絶対条件
結局のところ、同一労働同一賃金の問題は労使の問題というより、本質的には
【無料セミナー】「自動車DXサミット vol.3」 三菱ふそう KTC マツダ登壇 Amazonギフトカードプレゼント〈PR〉
「正規・非正規雇用者同士の問題」
なのではないか。
もっといえば、総額人件費が増やせずに、ゼロサムゲーム(参加者の利益と損失の総和がゼロになるゲーム)で報酬配分を考えないといけない状況において、正規雇用者が現在享受している超過分の報酬(正規雇用者のみに認められてきたある種の既得権益)の引き下げを容認しない限り、なかなか実現しない。
もし、会社業績が好調でもない状態で、経営者が政府方針や法律通りに同一労働同一賃金を推進しようと思えば、待遇を引き下げられる方の正規雇用者の離職などにつながってしまうからだ。
同一労働同一賃金という理想は私も大賛成であるが、実際には好景気を生み出すことによって、全体の人件費が増加していくなかでなければ、痛みを伴わない実現は難しいといえそうだ。