京都の「観光公害」全然止まず 市バス“すみ分け”対策検討も、運賃引き上げ懸念に観光客「不当な差別」の声

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京都市は公営バス制度の各種規制の柔軟な運用を求める要望を国へ提出した。「観光公害」の再燃で市バスの混雑が深刻化してきたためで、観光と生活利用ですみ分けを検討する。

国交省は当面、静観の構え

京都を訪れる観光客のイメージ(画像:写真AC)
京都を訪れる観光客のイメージ(画像:写真AC)

 市の要望に対し、国交省や総務省は明確な対応を示していない。国交省旅客課は

「現行制度でも可能なことはあるが、やり方次第で問題となるかもしれない。市が具体的な対策をまとめてから考えたい」

と述べた。

 総務省公営企業課は

「運賃制度は“所管外”なので、国交省の判断に委ねる。総務省としては市バスの経営に問題が生じないかなどを注視したいが、要望の文言だけでは判断できない」

と語った。

 今後検討される市の対策としては、

・観光客の運賃引き上げによる市バス利用の抑制
・観光に特化した路線の開設
・路線別の運賃設定

などが考えられる。このうち、運賃は高齢者や障害者、低所得世帯の無料化、割引を進めるバス事業者が多いものの、関係法令で乗客に不当な差をつけないよう定められている。

 京都駅前で市バスを待っていた川崎市の若いカップルは

「観光客だけ運賃を上げるとしたら、不当な差別じゃないか」

と話していた。門川大作市長も14日の記者会見で否定的な見解を示している。ただ、路線別の運賃設定については

「あり得る」

としている。

 京都がいくら観光都市といっても“テーマパーク”ではない。観光客のために市民生活が犠牲になる事態は急いで解消しなければならない。市がどんな対策を打ち出すのか、行方に注目が集まっている。

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