自動車業界で激化する「ITエンジニア争奪戦」 永遠の課題「ソフトウエア標準化」で電子制御ユニット開発を効率化できるか

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ホンダ・トヨタのソフトウエア人材を強化する。そこに潜む課題とは。

バーチャルとリアルを区別する能力

自律走行車のイメージ(画像:アーム)
自律走行車のイメージ(画像:アーム)

 MBDが理想的な効果を発揮できない一因は、CAEが仮想(バーチャル)解析であることだ。

 つまり、解析結果の正しさはリアル(実物)の試験で検証する必要があるのだ。100回のバーチャル解析結果の全てをリアルで検証しなければならなければ、MBDは無駄である。

 検証結果をフィードバックして解析精度を高めることで、検証回数を削減できる。例えば10回の検証で100回の計算結果全てが正しいと判断できる精度になれば、MBDは有効な効率化ツールとなる。経験を積んだエンジニアはこれを理解しているが、若いエンジニアのなかにはCAE解析の結果を妄信する人もいる。

 今後のエンジニアは、バーチャルとリアルを区別する能力も求められるのである。

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