空気を入れたら乗り物に大変身! 東大×メルカリ開発の先進モビリティ「poimo」をご存じか

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東大とメルカリが開発したパーソナルモビリティ「poimo」。独特な「風船構造」により、パーソナルモビリティとして大きな可能性を持っている。

可能性を見いだせる理由

poimoは自由度の高いカスタマイズ性能を持っている(画像:東京大学)
poimoは自由度の高いカスタマイズ性能を持っている(画像:東京大学)

 poimoの持つ独特な構造とはどういったものか。それは簡単に言えば「風船構造」だ。この独特な構造により、パーソナルモビリティとしての可能性は大きく飛躍する。poimoは風船のように膨らましたり、たたんだりすることができるため、

「軽くて持ち運びができる」

モビリティなのである。

 この風船構造は他の可能性も提案してくれる。それは「柔らかい」ことだ。poimoのボディの中身は空気のため、人や物にぶつかっても衝撃が少ない。

 例えば、電動車いすを利用していたとしよう。注意して操作していても、誰かにぶつかることが起こり得る。歩行者側の不注意でぶつかることもあるだろう。そんなとき柔らかい構造のpoimoなら、通常の電動車いすよりも相手に与える衝撃は格段に弱まる。

 これによって、利用者が対人事故を起こした際に、ぶつかった相手にけがを与えてしまうリスクが軽減される。さらに、poimoはアイスピックを使わなければ傷付かないほどの頑丈さも持ちあわせている。

 poimoのボディ素材には、軽くて強度のある「ドロップステッチ(樹脂と布の複合素材)」が使用されている。柔らかくも、利用者の体重を支えられる荷重耐性を持っている。さらにドロップステッチを使ったボディ素材は、自由に形状を決めて制作できる。カスタマイズ性能が高いため、ユーザーそれぞれの身体の状態に合わせた「医療施設内移動用モビリティ」として活用できる。

 本来バイクや車いすは通常、決まった姿勢で乗る。しかし高齢者や障がい者などのなかには、姿勢を変えることが困難な人もおり、そういった人たちは必然的に利用しづらい状況だ。だが、容易にカスタマイズできるpoimoであれば、利用者の幅が格段に広がり、スムーズな移動を実現できる。普段使いはもちろん、医療や福祉などの現場でも大いに役立つというわけだ。

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