次期戦闘機F-Xの国際共同開発にひそむ「固有リスク」 日本は1兆7000億円負担、予算膨張&開発遅延 過去の二の舞にならないか?
航空自衛隊の次期戦闘機の共同開発が2022年12月に決定された。現時点ではイギリス、日本、イタリアの三国だが、スウェーデンもなんらかの形で作業に関わる可能性がある。今後の課題は何か。
各国の要求を満足させる難しさ

兵器というものは、自国の防衛環境に適合していなければ存在の意味がない。複数の国が共同開発する場合、まず各国が求める能力がどれだけ一致しているかが問題になる。
防衛省によると、日本が本機に求めているのは主として空対空戦闘能力であり、F-2戦闘機の退役開始が見込まれる2035年からの配備が目標になっている。しかし、F-2を更新する以上、高い対艦攻撃能力も必須であろう。離島を含む日本の国土防衛には、敵の洋上戦力を阻止することも航空自衛隊の重要な任務だ。
これに関しては、イギリスやスウェーデンもロシアの洋上脅威に対応を迫られる環境にあり、程度の差はあるが共通性がある。日本とヨーロッパでは要求される行動半径などの条件は異なるだろうが、日本の要求も満足できるよう調整が行われたのであろう。
想像図を見る限り、GCAPの機体サイズはテンペスト構想モックアップより大型化しており、対艦ミサイルの搭載可能弾数や洋上航続力についても、日本の要求を満たし得る規模になったのではないかと思える。
ただ、機体規模の拡大は性能やコストへの影響が大きく、多任務化もシステムの複雑化を招くため、開発に要する費用やスケジュールへのインパクトは避けられない。多くの国が参加して開発された多用途戦闘機F-35も、その複雑さゆえに難航し、現在も十分な成熟度に達していない。こうしたことを考えると、2035年からの配備を目指すというGCAPの目論見は、
「かなり楽観的なもの」
に思える。