不正乗車は「運賃50倍」徴収 厳しすぎるヨーロッパの罰金事情、日本も追随すべきか?

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日本における不正乗車の罰金は「3倍」だが、ヨーロッパではそれより遥かに高く設定されているのをご存じか。

セルフ改札のデメリット

チケットの刻印機。購入したチケットは、ここで自主的に打刻しなければ不正乗車とみなされる(画像:橋爪智之)
チケットの刻印機。購入したチケットは、ここで自主的に打刻しなければ不正乗車とみなされる(画像:橋爪智之)

 また昨今はトラム(路面電車)について、停留所ごとに運転士や車掌が運賃収受することによる時間のロスや、車掌を雇うことによる人件費を削減するため、

「信用乗車方式(セルフ改札)」

が注目を集めている。

 これは、乗客が乗車前に有効な乗車券を用意して、自主的に改札(乗車券に刻印、もしくは交通系ICカードを読み取りさせる)をすることで

「運転士や車掌のいるドア」

を通らなくても乗降が可能となるものだ。導入によるメリットは計り知れないが、ここでネックとなるのが無賃乗車とその罰金額だ。

 現状、運賃の3倍しか徴収できない決まりになっているが、それなら例えば正規運賃が150円の列車に無賃乗車しても、徴収されるのは450円のみということになる。

 セルフ改札は抜き打ちで検札が行われるが、すべての列車で確認をするわけではないから、すり抜けてしまう人も多いだろう。しかもたった3倍の罰金であれば、4回乗車で1回捕まったとしても、

「タダ乗りした方がお得」

という計算になる。

ヨーロッパの罰金は「30~50倍」

プラハの地下鉄。改札口はなく、ホームへの出入りは自由だが、有効なチケットを所持する必要がある(画像:橋爪智之)
プラハの地下鉄。改札口はなく、ホームへの出入りは自由だが、有効なチケットを所持する必要がある(画像:橋爪智之)

 世界的な視点で見ると、罰金が正規運賃の3倍という日本のルールは極めて異例の、非常に緩いものだといえる。

 ヨーロッパのほとんどの都市で採用されている信用乗車方式だが、罰金の金額がおおむね

「30~50倍」

という、超高額に設定されているのだ。

 例えば英国のロンドンでは、一番安いトラムやバスの初乗りが1.75ポンド(約305円)となっているが、不正乗車が発覚した際の罰金は80ポンド(約1万3922円)、実に45.7倍が請求される。チェコのプラハは最低運賃が30分有効のもので30CZK(約190円)、だが罰金は1500CZK(約9497円)、なんと50倍になる。

 高額の罰金を設定する主な理由は、万が一捕まった際のダメージを大きくすることによる、不正乗車の抑止効果といえよう。30倍も40倍も払わせられるくらいなら、その同じ金額で30~40回乗った方がお得、ということである。

 ちなみにこの罰金だが、面白いのは温情裁定というものがあって、その場で現金を支払えば減額されるというもの。例えばロンドンでいえば80ポンドが40ポンドと半額にまで減額されるし、プラハの場合も1000CZKと2/3で済む。

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