ドコモと都が共同運営する「EVバイクシェア」 運転時は「2輪免許NG」なワケ
- キーワード :
- ミニカー, 3輪バイク, ドコモ・バイクシェア
普通自動車免許以上が求められるワケ
東京EVバイクシェアは、なぜこうした車両を採用したのだろうか。それはおそらくは安全に対する配慮を重視したためであろう。
近年、いわゆる電動キックボードを使ったシェアリングサービスが登場し、話題となった。その利便性が報道されると、同時に安全性に対する懸念も多く寄せられた。
運転に必要な免許が自家用とシェアリングサービスとでは異なっていたことも問題ではないかとされた。
それに対して東京EVバイクシェアの車両は、あえて2輪免許ではなく普通自動車免許必須とした。これは運転者が最低限保持していなければいけないスキルを担保したことになる。
車両の構造
ここからは、実際の車両の操作がどうなっているのかを見てみよう。
まず、運転操作自体は原付一種スクーターなどに準じている。最高速度はミニカーでの規定である60km/hではなく、原付一種スクーターと同じ30km/hに制限されている。最大航続距離は約50kmである。
使用に当たっては専用アプリをインストールしたスマートフォンを使う。アプリには事前に運転免許情報などの利用者登録を行う。このスマートフォンがキー代わりになるということだ。
加速はハンドルの右グリップなのは原付スクーターなどと同じ。ただしこの車両には5段階(6km/h刻み)のスピードリミッターが装備されている。これは不測の暴走を防ぐ上でも有効だろう。
ブレーキは前後それぞれ左右のレバー操作となっている。左レバーの上部にはパーキングブレーキも装備されている。ブレーキは前後にディスクブレーキが装備されている。ちなみにこの車両はEV製造ベンチャー企業である「Future」のGOGOカーゴというモデルをベースに操作パネルを新設するなどしたカスタムモデルである。
前輪とステアリングメカ周りは独特のリンク構造を装備。これはマルチリーンサスペンションというGOGOシリーズに共通の特許取得済み構造だ。3輪でありながらコーナリング時はバイクの様にリーン、すなわち車体を傾けて曲がるため安定性が高いという特徴がある。
しっかりしたパイプフレームやピロボールを使ったステアリング周りなどコストも掛けられている。こうした車両のディテールを見る限り、その安全性は高く堅実な設計である。