トヨタ・ダイムラー提携も、「対等性」に固執する必要なし? 今こそダイムラークライスラーの失敗に学ぶときだ

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日野と三菱ふそうの経営統合。そこに秘められた課題とは何か。

親会社の戦略

ダイムラートラック、三菱ふそう、日野、トヨタ 共同記者会見の様子(画像:トヨタ自動車)
ダイムラートラック、三菱ふそう、日野、トヨタ 共同記者会見の様子(画像:トヨタ自動車)

 日野とMFTBCの親会社であるトヨタとダイムラー・トラックは、「両社統合の持株会社(上場)の株式を同割合で保有する」対等の立場であり、カーボンニュートラルに向け、地域の事情と顧客の使用に応じた多様な選択肢を提供する「マルチパスウェイ(多様な技術解)」を重視している。

 また、「CASE技術は普及してこそ社会の役に立つ」と共通の戦略を述べるものの、軽自動車からトラック・バスまでのフルラインアップのトヨタとトラック・バス専業のダイムラー・トラックでは、事業方針は異なって当然だ。

 前述のブラジルのサンタマリア連邦大学報告書は、ダイムラーとクライスラーの合併が
「当初は「対等合併」であると考えられていたが、やがて、他の多くの事例と同様に、そうでないことが明らかになった」

と述べている。

 トラック・バス事業再構築よりも、燃料電池などの水素技術の量産化に強い意欲を持つトヨタは、中長期的には経営統合の

「対等性に固執する」

必要はない。

 自動車産業は日本経済全体にとって依然として重要な位置を占めるが、中米欧が逆転を目指して仕掛ける「完全電動化」戦争で、現時点では苦戦している。しかし、乗用車の個人客もようやく「BEVの負の側面」に気づき始めた。

 一方、トラック・バスの法人事業者は、

・経済性
・法令順守
・社会的責任の面

で、個人客よりはるかに厳しい立場にあり、BEV1本に絞れる状況ではない。

 今回の、トヨタとダイムラー・トラックの資本提携と、日野とMFTBCの経営統合を契機に、カーボンニュートラルに向けた「マルチパスウェイ」を世界標準にし、日本の自動車産業の持続的な成長に結びつけることを期待する。

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