アメリカ流「戦争方法」とは? 物資投入とロジスティクスの力がもたらす戦略的優位性をご存じか

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アメリカ軍の戦い方は、人的犠牲を最小限にとどめるために大量の物資を投入して戦争の勝利を追求するとの基本方針で一貫している。

「戦争文化」

 歴史を通じて独自の戦争方法について考えるに当たり、最初に確認すべき視点として、「戦争文化」(あるいは「戦略文化」)が挙げられる。

 つまり、軍事戦略の次元であれ国家戦略の次元であれ、戦略、さらには戦争そのものもその地域や国家に固有な文化によって大きく規定されている事実である。そして、ロジスティクスをめぐる考え方もその例外ではない。

 確かに、文化という言葉が意味するところの曖昧性、さらには、いわゆる「文化決定論」という落とし穴には十分に留意することが求められる。

 だがその一方で、たとえ曖昧で不可測なものであるにせよ、ある国家や地域には固有の文化が存在し、これがその国家や地域の戦争方法はもとより、広義の生活様式さえも規定しているのは、疑いようのない事実である。

 イギリスの歴史家ジョン・キーガンが、プロイセン=ドイツの戦略思想家カール・フォン・クラウゼヴィッツの戦争観を批判した際に文化的な要因の重要性を強調したのは、まさにこの理由による。

 この点に関する筆者の結論は、仮に明確な定義を提示できないにせよ、こうした概念は戦争や戦略を考えるための大きな枠組みを提供するものとして極めて有用であるというものである。

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