自動車教習所30年で約2割減 エンジン車から「EV」「自動運転」への移行で経営どうなる、求められる教習メニューの刷新

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自動車教習所は年々減少傾向にある。そんななか、今回は今後の自動車教習における新規メニュー、その根拠となる新設免許などについて考察する。

減少する自動車教習所

自動車教習所のイメージ(画像:写真AC)
自動車教習所のイメージ(画像:写真AC)

 自動車学校や自動車教習所の総数は公安委員会公認および非公認を含め、10年前の段階で減少傾向にある。1992(平成4)年に1535か所だった指定教習所数だが、2022年には1295か所(16%減)となっている。

 これは少子高齢化にともなう

・新規での運転免許取得者の漸減
・若者の嗜好変化にともなうクルマ離れ

などが主な理由と解説されていた。これらのなかで前者はまぎれもない事実だと思う一方、後者は簡単に一言で片付けることはできない。

 確かに公共交通機関が発達した大都市圏であれば、運転免許を取得し自家用車を維持する必然性は少ないかもしれない。クルマやバイクそのものに興味が薄ければなおさらである。

 クルマ本体の購入費用や維持費、駐車場の維持費などもバカにならないだろう。しかし地方はそうはいかない。その年齢に関係なく、何をするにもクルマなしには生活そのものが成り立たない。

 大都市圏での自家用車とは趣味的要素が少なくない一方で、地方のそれはまぎれもなく生活必需品である。

「オートマ限定」の登場

駐車場予約アプリ「akippa」ユーザーに実施した「運転免許」に関するアンケート調査。有効回答数は1万4262(画像:akippa)
駐車場予約アプリ「akippa」ユーザーに実施した「運転免許」に関するアンケート調査。有効回答数は1万4262(画像:akippa)

 一方で、自動車学校や自動車教習所のビジネスとしての経営内容はどうだろうか。

 平成以降、教習内容で大きく変わったことといえば、何といってもオートマチック限定運転免許が1991(平成3)年にまずクルマに、続いて2005年からはバイクにも導入されたことだろう。

 加えてバイクに関して、以前は運転免許試験場での一発取得しかできなかった限定なしの二輪免許(いわゆる大型自動二輪免許)が1996年からは教習所で取得できる様になったことも大きい。

 さらに2007年には中型運転免許が、続いて2017年の準中型運転免許が導入された。それにともない、導入以前の免許取得者を対象とした中型車の車両総重量8t限定解除教習や同じく準中型車の車両総重量5t限定解除教習を受けた人もいたことだろう。

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