DXは現場に「誇り」をもたらすか 10年後の未来予測【短期連載】ざんねんな物流DX(4)

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「すべての物流企業は、DXを目指すべきなのか?」── とても困難ではあるが、私は、すべての企業はDXを目指すべきだと考える。その理由を説明しよう。

生み出す努力が、企業を進化させる

 前回、企業が目指すべき現実的なDXの定義について、私はこのように提案をした。

「現実的なDXとは、デジタル技術やロボットなどを用いて、競争力のあるビジネス創出ないし業務変革を実現すること」

 現実的とは言ったが、このレベルでも、相当難しい。競争力とは、ビジネスの優良性だけで実現されるものではなく、相対的な要素がつきものだからである。

 現在、日本国内には約6万2000社の運送会社がある。仮に、そのすべてが「現実的なDX」を実現できたとすれば、約6万2000の優良でユニークなビジネスが、運送ビジネス内だけで生み出されることになる。しかし運送という限られたビジネステリトリーで、これが達成されるとは到底思えない。

 だが、DX未満のビジネスアイデア、もしくはビジネスしか生み出せなかった企業が、まったくの無駄な努力でしかなかったとは、私は思わない。結果にはつながらなくとも、新たなビジネスを創出しようという努力は、企業を活性化させるはずだ。また、その努力を続ければ、例えば2年以内には無理でも、5年後、10年後には、花を咲かせる可能性もある。

変わりゆく物流ビジネスにどう向き合うのか?

 自動運転、無人運転の潮流は止められない。国土交通省では、高速道路での自動運転実現をトラックでは2025年以降、自家用車では2025年を目処に実現する目標を立てている。

 倉庫の自動化も著しい進化を遂げている。一部のイノベーター、アーリーアダプターが導入・採用している自動倉庫の様子は、旧来の倉庫ビジネスの終焉を予感させる。

 物流に関わるすべての人は、10年後に同じビジネスが通用するとは思わない方が良い。

「私は、30年物流に関わってきた。だが、物流のやり方は変わってこなかった」──確かにそうだと私も思う。だがこれは、過去の事実ではあっても、今後の未来を予測する見解として正しいものであるとは思えないのだ。

 変わりゆく物流ビジネスに、現在の物流企業はどう向き合うべきなのか。言わずとも、その答えは、皆さまもお分かりいただけることだろう。

 DXは良いきっかけだと、私は思う。まずはDXを知ること。そして、あなたにとってのDXを考え始めてほしい。その一歩は、きっとあなたの未来を拓く一歩へとつながるはずだから。

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