運送会社に「満足な運賃」が支払われていない現実! 一般人は気にかけない、現場で続く“過酷ループ”をご存じか
先日、M&Aキャピタルパートナーズがリポート「物流業界の運賃値上げ交渉の実態」を発表した。そこで明らかになった現場のリアルとは。
製品自体は値上げも、運賃は変わらず
日本の物価が上がり続けている――。
政府が発表した2023年4月の消費者物価指数では、総合指数で2020年を100としたときに105.1、前年同月比で3.5%の上昇となった。今も毎日のようにメーカーから「製品を値上げします」という発表が続いている。
物価が上がっている要因は複合的で、国際情勢や半導体不足、また新型コロナウイルスの影響や為替レートの変動によるものなどがある。
そのなかで、企業側の値上げの要因として
「物流費が高騰している」
という説明がなされることが多い。
ここでいわれる物流コストにもいろいろな要素があり、
・輸入に掛かる物流費
・国内輸送に関わる物流費
・保管や荷役に掛かる物流費
といったものがある。それら全ての物流費が上がっているといえるが、一方でトラック運送事業者のなかには
「もらえる運賃は上がっていない」
という声も聞こえる。