飛行機の「ペット輸送」に付きまとう死亡リスク 過去にはJALが訴訟沙汰、それでも継続の行く末とは
リスク多くも高い需要
各国の検疫制度に従う必要があるが、世界では機内持ち込みが主流だ。
いくつか航空会社を調べてみたが、ルフトハンザドイツ航空、ターキッシュエアラインズ(トルコ)、デルタ航空(米国)、エールフランス、アエロフロート・ロシア航空などいずれもペットの持ち込みが認められている。違いがあるとすれば、犬猫に限るか、小鳥も含むか程度である。
ちなみに、いくつかの航空会社ではウサギも可能としている。また、ロイヤル・ヨルダン航空では犬猫に加えてハヤブサも可能だ。アラブ世界ではタカ狩りが伝統的に楽しまれており、文化として浸透しているためのようだ。
こうした世界の動向の中で制限が多い日本だが、航空会社は需要の多さを理解している。2016年にはANAが、愛犬と隣り合わせで座れるツアー「ワンワンフライトin北海道」を売り出したところ、22万2000円(大人ふたりと犬1匹)と高額だったにもかかわらず、50組分が1日半で完売している。
こうしたなか、犬猫の機内持ち込み可にかじを切ったのがスターフライヤーだ。同社が2022年から導入したサービスは、小型の犬猫を対象としている。機内ではケージに入れたままで、飼い主は隣に着席する。水を飲ませられるが、ケージから出したり、餌を与えたりすることは禁止されている。また、ペット用オムツの着用も必須となっている。
同社がペットの機内持ち込みを導入した理由は、コロナ禍でのペット需要の拡大だ。ペットフード協会によると、2020年から2021年までの間に新たに飼われた犬は約5万8000匹増。猫も6万7000匹増となっている。そのため、ペットを同伴できることにビジネスチャンスを見いだしたのである。
ペットを家族の一員として迎える人が増えているなか、コロナ禍で利用客減に苦しむ航空会社は新たな活路を見出したようだ。