EVとエンジン車のシェアは「数年」で逆転する? 過去の経済理論に見る業界の破壊的変化、EV普及は単なる「技術移行」ではない
中国EV御三家の代表が「中国のEVシェアは2025年までに80%を超える」と発言した。自動車業界に起きつつある変化を文明史的な視点から眺めてみると、その発言が大げさではないことがわかる。
初期普及の臨界点を過ぎたEV
現在進行中の再生可能エネルギーやEV普及は、マクロ現象として見れば、この技術普及のS字曲線に乗っていると見てよく、米RMI研究所はこれを「ピーク理論」と名付けている。
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S字曲線に従えば、市場シェア「0.5% → 5%」までの普及時間と「5% → 50%」までの普及時間が同じであることに注意を促している(図)。例えば、iPhoneやスマートフォンの普及が最初は少数派だったものの、ある時期を境に急速に普及した。
同様に、EVもすでに初期普及の臨界点を過ぎて、すでに急激な普及段階に入った可能性がある。
10年前にはわずかに市場シェア0.2%だったEVは、この10年で
「10%(プラグインハイブリッド車〈PHEV〉を加えれば13%)」
を超えた。今後もEVの性能向上と価格低下と相まって、加速度的な拡大が進む可能性が高く、早ければここ数年で既存の内燃機関(ICE車)と新車シェアを逆転する可能性がある(次ページの図)。