2億円超の赤字! 高知「とさでん交通」の路面電車大ピンチ、公費負担拡大か路線縮小か、高知市検討会が大詰めの協議へ

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高知県で路面電車を運行する、とさでん交通(高知県高知市)の経営が危機にひんしている。高知市は地域公共交通の検討会を設けて対応策を協議しているが、6月にも一定の方向を出す方針だ。

市民の生活路線として定着

南国市の後免東町停留場へ入ってくるとさでん交通の路面電車(画像:高田泰)
南国市の後免東町停留場へ入ってくるとさでん交通の路面電車(画像:高田泰)

 高知県で路面電車を運行する、とさでん交通(高知県高知市)の経営が危機にひんしている。高知市は地域公共交通の検討会を設けて対応策を協議しているが、6月にも一定の方向を出す方針だ。

 高知県南国市後免(ごめん)町の後免東町停留場にとさでん交通の路面電車が入ってきた。車体は子どもたちに人気のアニメキャラクターが描かれているが、昭和の雰囲気を漂わせる年季もの。週末の朝、とさでん交通の後免線に揺られて高知市の中心部へ向かった。

 後免線は南国市大そねの後免町停留場と高知市はりまや町のはりまや橋停留場を結ぶ10.9km。南国市を走行中は乗り込んでくる乗客がわずかだったが、高知市に入ると次第に増えてきた。スーパーで買い物をした主婦、少年野球の試合に向かう小学生、街中へ遊びに行く若いカップルらが次々に乗車し、市民の生活路線となっていることをうかがわせる。

 買い物帰りの高知市の主婦(63歳)は

「孫が遊びに来るので、食材を買いに出た。買い物はいつも電車で、主人は定年退職まで通勤、子どもたちは通学に使っていた。私たち家族にとってなくてはならない存在だから、いつまでも残してほしい」

と話した。

 とさでん交通の路面電車は後免線のほか、

・伊野線(はりまや橋停留場といの町の伊野停留場間11.2kmを結ぶ)
・桟橋線(高知市の高知駅前停留場から桟橋通五丁目停留場まで3.2kmを走る)

がある。

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