三菱商事・JR四国が「徳島県」のタクシー関連企業にわざわざ出資する理由
タクシー会社のDXを支援する電脳交通(徳島県徳島市)が、総額約12億円を調達した。同社には三菱商事やENEOS、JR東日本なども出資する。知られざる同社の力とは。
「暮らし」は事業者の存続と表裏一体
だがいま、その当たり前が脅かされている。当たり前の暮らしを続けるには、サービスを供給する事業者の存在が欠かせない。
営業利益が低いことで知られるタクシー業界。2022年の運賃値上げは燃料費の高騰やコロナ禍への対応のためとされるが、年々上昇する車両のメンテナンス費用や人件費で、長らくタクシー業界は厳しい経営環境にあった。
売り上げアップをはかるには運転手の採用が必要だ。しかし過疎地域では採用も思うようにいかない。そうしたときにできるのは、規模の拡大ではなく生産性の向上である。生産性を高めれば仮に同じ売り上げでも、利益率アップをはかれる。この点に着目したのが、冒頭の電脳交通だ。
同社が提供するのは、タクシー事業者向けの経営改革や業務効率化を実現するクラウド型タクシー配車システムと、配車業務の負担を軽減する委託サービス。これまでに45都道府県、400以上の事業者に利用されている。