「卵」品薄騒動は運送会社にも大ダメージ! 2024年問題に見る、消費者そっぽ向きな辛らつ物流事情とは
「物価の優等生」といわれてきた卵が、史上空前の高値をつけている。慣れ親しんだ食材ゆえに、困惑する消費者も多いだろう。だが、その影で苦しんでいる運送会社がいることをご存じだろうか?
史上空前の高値

鶏卵が「物価の優等生」といわれてきたのは、物価変動の影響をあまり受けず、これまで小売価格が安定していたからである。
筆者(坂田良平、物流ジャーナリスト)が利用しているスーパーでは、何年もの間、鶏卵1パックの価格は150円~200円程度だった。それが2022年くらいから値段が上がり、今は300円近くになっている。
日本養鶏協会によるリポートやニュースなどを総合的に勘案すると、現在、鶏卵価格が高騰している原因は次のとおりである。
・飼料となるとうもろこしや小麦の高騰
・鶏舎の暖房に使われる燃料代の高騰
・鳥インフルエンザの影響(2021年2月中旬以降、全国の採卵鶏飼養羽数の約5%にあたる約900万羽が殺処分された)
・新型コロナウイルスの影響(緊急事態宣言発令によりレストラン等が休業した影響で、鶏卵需要も減った。そのため生産能力が一時的に減少してしまった)
一方、スーパーや地域によって、鶏卵の価格や供給状況にはかなり差があるようだ。