大企業だけじゃない! 自動車部品の製造現場で「女性登用」が次々と進むワケ
女性の就業率は25歳から40歳を中心に大きく下がることが知られている。モビリティ業界では今後どう対応すべきか。
中小企業の切実な事情
マシンオペレーターに女性を登用している理由について役員に尋ねてみると、中小企業ならではの切実な事情が浮かび上がってきた。いわく
「一番欲しい『若い男性』を獲得する競争率が上がっている」
のだという。
大手企業であれば、大手の広告会社を利用し、新卒や若手の採用を力強く進めていける。しかし労働人口が減少する今、求職者の獲得力において中小企業は大企業にはかなわない。今会社にいる人材をできるだけ大切にする方法を考え、たどり着いたのが、結婚や出産でキャリアが途絶えがちな女性を中心に、若手のキャリアアップを支援し、働きやすい環境を整えることで、自社で長く働いてもらう方法だったのだそうだ。
この会社では従来、男性が加工したものを女性が検査するという流れだったが、男性も女性も関係なく加工や検査の仕事に就かせることにより、それぞれの仕事への理解が深まり、結果として品質向上にもつながったという。さらに、女性にもさまざまな業務を経験させた結果、役員の仕事を任せられる社員も育ってきたそうだ。
実はこのような動きは、この会社に限ったことではない。自動車業界を取り巻く多くの中小企業で、似たような動きが起こっているのである。