日本のトラックドライバーに「1000万プレイヤー」が全然いないワケ 米国では年収&女性が爆増中、決定的に異なる2つの残酷真実とは

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「2024年問題」に揺れる日本。それとは裏腹に、米国のドライバー数は2020年4月から堅調な右肩上がりを続けている。いったいなぜか。

女性ドライバーが増える米国

「トラガール促進プロジェクト」のウェブサイト(画像:国土交通省)
「トラガール促進プロジェクト」のウェブサイト(画像:国土交通省)

 さて、賃上げでトラックドライバーを順調に雇用できている米国だが、課題が解決しきれているわけではない。何週間も家に帰らずに荷を運ぶ仕事のハードさから来る離職率の高さや、ドライバー年齢の高齢化(平均年齢48歳)による将来的な労働力確保の不安など、懸念材料はいくつかある。

 一方で、ポジティブ潮流も見られる。女性ドライバーの割合が徐々に増えてきており、2022年12月時点で史上最高の

「約18%」

を記録したとのことである。

 これには女性が進出しやすい環境が整えられつつあることが関係している。例えば休憩所の女性用のシャワーやトイレが清潔に保たれていて、パトロール隊員が駐車中のトラック周りを巡回して女性ドライバーの安全を頻繁に確認する――などである。

 日本の女性トラックドライバーの割合はというと、20年前から3%前後を推移してきている。女性進出を推進しようと政府が2014年に「トラガール推進プロジェクト」を始めたが、現場で働く女性ドライバーからは「ズレている」といった声も上がり、ギクシャクしたようである。

 ドライバー経験のある女性で、フリーライターの橋本愛喜氏は、自身の記事「”トラガール”にピンクのトラック…女性トラックドライバーが対峙するホワイトカラーたちのズレ」(2022年3月8日配信)のなかで、女性トラックドライバーを増やすのに必要なのは、

「現場の女性観に対する理解」

であるとしている。

 女性ドライバーの割合があまり増加していないことから判断するに、女性ドライバーの進出は未開拓であるがゆえの可能性を秘めている、と見ていいだろう。

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