日本のトラックドライバーに「1000万プレイヤー」が全然いないワケ 米国では年収&女性が爆増中、決定的に異なる2つの残酷真実とは

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「2024年問題」に揺れる日本。それとは裏腹に、米国のドライバー数は2020年4月から堅調な右肩上がりを続けている。いったいなぜか。

1000万プレイヤーも多い米国

米国のトラック(画像:写真AC)
米国のトラック(画像:写真AC)

 世界的な調査・格付け会社である米国のS&Pグローバルがまとめたリポートによれば、一時期145万人を割り込んでいたトラックドライバーは、約2年の間に158万人にまで増加した。必要とされるドライバー数にはまだ及ばないものの、これはポジティブな兆候である。

 米国の「運輸業と倉庫業の平均時給」の推移を見てみると、これも顕著な右肩上がりで、上述のトラックドライバー数増加の時期と並べてみれば、時給が

「24.5ドル(約3300円) → 28ドル(約3800円)」

へと上がっている。ドライバー数の増加について、専門家は

「より高い賃金や福利厚生等の労働条件の改善が、結果につながっている」

と話している。

 米国の話を聞いていると、ドライバーの賃金はかなり景気がいい印象を受ける。4万ドル(約536万円)だった年収が2、3年で7万ドル(約938万円)になったケースや、勤務1年目の新人ドライバーへの年収に最高11万ドル(約1475万円)を支払うと発表する企業(ウォルマート)が出てきている。これらはかなり目立ったケースだが、年収がこの数年で比べて

「数十%アップする」

ことも珍しくないようである。

 もっとも、米国は今未曾有(みぞう)のインフレを迎えているので、賃上げの様子を日本と同じ土俵で比較するわけにはいかない。インフレで生活コストも上がっているため、日本人が「1475万円」と聞いて思い浮かべるうらやましさは、実際にはその1475万円にそこまで宿っていないかもしれない。

 しかし、米国では企業がトラックドライバーを確保するために給与を上げているのは事実である。

 一方、日本ではどうか。かつて“稼げる仕事”として認知されたトラックドライバーだったが、平均年収500万円超えをマークしたバブル期が終わると、約10年かけて約400万円となり、そこからやや復調して現在は450万円あたりを推移している。

 なお全日本トラック協会の調査によると、「トラック運送事業従業員」の2020年度の男女全職種平均における

「月収は36万円(令和初年度は38.37万円で、6.3%減)」

となっている。

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