としまえんがなくなっても「豊島園駅」は残存! 名前を冠した駅が簡単に改称できないワケ

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ランドマークがなくなった後も、変わらず残り続ける駅もある。一体なぜなのか。

うまくいかない事情も

JR新宿駅西口とは別物の都営大江戸線新宿西口駅(画像:写真AC)
JR新宿駅西口とは別物の都営大江戸線新宿西口駅(画像:写真AC)

 東京メトロの一部乗換駅では、

「乗り換えできるのに駅名が違う」

というスポットも存在する。

 例えば、東京メトロ丸ノ内線の新宿駅と都営大江戸線の新宿西口駅だ。徒歩数分で移動できて乗り換え可能だが、駅名が違うため不慣れな人は混乱するだろう。違う駅だと思って、お金と時間をかけて遠回りしてしまったり、ホームの乗り換えだけで迷ってクタクタになったりしてしまう。

 利便性の向上を考えれば駅名を変更したいところだが、前述した改称への高額な費用を考えると、駅名を簡単に変えられない現実もある。

 こうした状況を改善すべく、東京メトロが進めているのは駅名の改称ではなく、名前が違う駅同士の乗換駅化だ。

 東京メトロには「改札外乗換」というシステムがある。乗換駅に設定されている駅同士では、いったん改札を出た後、制限時間内なら新たに切符を買うことなく乗換駅の改札を通過できるのだ。

 この改札外乗り換えができる駅を増やすとともに、2020年6月からは改札をいったん出てから乗り換えるまでの制限時間を当初の30分から60分に延長。乗換駅化を後押しした。地下鉄のネットワークを新たに広げ、駅名を改称することなく利便性の向上を狙う考えだ。

 利便性を向上させる目的で駅名を改称するには、費用に見合う必要がある。もし見合っていない場合やコストを抑えたい場合は、東京メトロのように他の手段で工夫を凝らすのも有効だ。

 駅名の改称は簡単そうに見えて、多くの事情が複雑に絡み合っている。地元民にとってはなじみ深い地名としての側面を持ち、思い入れも強い。鉄道利用者からすればわかりやすい駅名であることは非常に重要となる。一方、鉄道会社や各団体、市などは利便性の向上とコストのバランスを取って最善の選択をしなければならない。

 今回紹介した駅以外にも、それぞれに深い歴史とストーリーが隠されているのではないか。

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