気動車は時代遅れ! 脱炭素時代のJR西日本「燃料電池車」導入に立ちふさがる2つのぶ厚い壁とは
温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルへ国を挙げて向かう中、JR各社も非電化区間の脱炭素化を迫られている。JR西日本は燃料電池車導入へかじを切った。
約450両の気動車を保有するJR西
JR西日本は現在、約450両の気動車を保有し、関西本線亀山~加茂間のほか、
・津山線(岡山市の岡山駅と岡山県津山市の津山駅を結ぶ)
・木次線(きすきせん。島根県松江市の宍道駅と広島県庄原市の備後落合駅間を走る)
・越美北線(えつみほくせん。福井県福井市の越前花堂駅から同県大野市の九頭竜湖駅に至る)
などで運行している。
水素は燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない。JR西日本は気動車の燃料電池列車転換とその他の温室効果ガス排出抑制策を合わせ、2013年度に年間234万t排出していたCO2を2030年度に126万tまで減らし(46%減)、2050年度に実質ゼロとする計画を打ち出している。
姫路に総合水素ステーションを計画
さらに、兵庫県西部の播磨地方では、地元の地方自治体や企業などで組織する播磨臨海地域カーボンニュートラルポート推進協議会に参画し、姫路市にあるJR貨物の姫路貨物駅に総合水素ステーションを設置する。
姫路港などに荷揚げされた液化水素を姫路貨物駅から全国に送り出すとともに、自社の列車や他社のバス、トラックなどへ供給する態勢を整える。姫路貨物駅を水素供給基地にしようとしているわけだ。
設置計画は4月、協議会のカーボンニュートラルポート形成計画骨子に盛り込まれた。協議会の事務局を務める兵庫県港湾課は
「JR西日本が中心になって進めている取り組みだが、鉄道の脱炭素化に向けて協議会も後押しする」
と述べた。