トラックドライバー不足を「外国人労働者」で穴埋めしようとする発想の耐えられない軽さ

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移民受け入れの是非が現実的な問題となっているなか、トラック業界でも外国人労働者導入に向けた本格的な検討が始まっている。そこに問題はないのか。

「新たな労働問題」を生む火種に

トラックドライバー(画像:写真AC)
トラックドライバー(画像:写真AC)

 この在留資格の目的は、インバウンド需要の増加を見込み、外国人観光客に対して通訳や観光案内も行える人材を確保するためだ。タクシードライバーとしての業務だけではない“付加価値”が求められているわけだ。

 そのため、トラックドライバーは目的の範囲外である。なにより、在留資格の範囲をトラックドライバーに広げたとして、こんな高度な能力を持つ人材が、かつてならともかく、低賃金長時間労働のトラックドライバーを選ぶはずがない。

 全日本トラック協会の事業計画書を見てみると、過去から一貫して、現在の制度にトラックドライバーを組み込むことを求めていることがわかる。しかし、2023年になっても技能実習での外国人労働者確保に言及しているあたりに、感性の鈍さを感じる。単に、人手不足を解消するために、なりふり構わず外国人労働者の導入を図っているだけなのだから、開いた口が塞がらない。

 トラック業界だが、2024年問題の原因を解消できていない。

・荷主都合による待機で労働が長時間になっている
・ドライバーが無償で荷物の仕分けなどを強いられる慣習が常態化している

ことは放置されたままだ。こんな状態で、外国人労働者を導入しても

「新たな労働問題」

が発生するだけなのは火を見るよりも明らかだ。なにより、これらの問題を解決できない各社が、外国人労働者を受け入れるための体制を整えることができるはずがない。

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