“アイス事件”で中国人が怒るのは当然だ 上海モーターショーで見えた「アジア人差別」という時代錯誤な価値観、日本の真摯な姿勢が問われている
中国の「アイス事件」に対する怒りがアジア全土へと広がりを見せている。この騒動は、欧米における「アジア人差別」がいまだになくならない証左なのか。
安易に欧米の肩を持ってはいけない
中国の欧米に対する怒りは奇異に見えるだろうか。決してそんなことはない。
確かにわかりやすく、極端ではあるが、ようは安易に欧米の肩を持ち、
「その価値観に飲み込まれること」
を拒否するというだけである。
今後も、欧米がこれまでどおりの価値観で、アジアやアジア人への優越感を保ったとしても、現実は真逆の方向へ向かっている。モビリティ産業はもちろんのこと、あらゆる産業で、高質な中国製品が使われ、拡大している。
それほどまでに中国へ依存しつつも、アジア人を差別し続ける価値観から抜け出せていない欧米は、今後いったいどこへ向かうのだろうか。そして同じアジア人である日本人は、それをどうとらえているのか。
筆者(業平橋渉、フリーライター)は約20年前、当時親しかった東欧人に「日本人はバナナ」といわれたことがある。その意味はいわずもがな
「表面は黄色く、中身は白い」
である。皮膚は黄色いのに中身は欧米人の真似をしてばかり、ということだ。アイス事件の中国人の行動に批判的な日本人に問いたい。私たちは本当にこのままでいいのか。
漫画家の倉田真由美さんは4月26日、ツイッターで以下のようにつぶやいている。
「中国のBMWアイス事件、本当に人種差別であったか定かではないようだがそう見えるのは事実で、であれば怒るのは当然の事。我々アジア系は人種差別を受ける側なのに、日本人はこれに鈍い人が多いことを以前から危惧している。日本で同じことが起きていたら、あのように民衆は激怒しないのではないか」