燃料電池車の本命は「大型トラック」 ホンダ・トヨタはなぜ他社との協業に注力するのか?

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トヨタとホンダは燃料電池による大型トラックの実用化に向けての動きを加速させている。いったいなぜか。

カーボンニュートラルは国家的戦略

いすゞ、ホンダが共同研究した燃料電池大型トラック(画像:いすゞ自動車)
いすゞ、ホンダが共同研究した燃料電池大型トラック(画像:いすゞ自動車)

 いわゆるカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること)において、世界中を見渡すと各国の状況が垣間見える。そのなかでも特に重要なのはモビリティ戦略である。すなわちクルマの燃料をいかにして化石燃料から再生可能燃料に換えるかということだ。

 この分野の国家的戦略のなかで、最終的に電動で賄うものはふたつある。すなわち

・バッテリーによる電動化
・燃料電池による電動化

である。

 現時点での実用化という意味では電動化に一日の長がある一方、将来性では今のところどちらともいえない。というのも、どちらも重要なのは新車の製造と販売だけで完結する話ではないからだ。

 市場に流通させる商品である以上、中古車としての再流通までのシステムや整備補修体制なども確立しなければビジネスとしては成立し得ない。電気自動車(EV)のリチウムイオンバッテリーの場合、補修しての再利用や資源としての再利用については一部でビジネス化が始まっている。対して、燃料電池システムの場合はまだこれからである。この分野をクリアして後に双方ともに真の商品となる。

 ところで、わが国の国家的戦略としてのカーボンニュートラル政策は、水素を積極的に活用する道を選択したといわれている。それに関する新たな指標は2023年5月中に発表されるともいわれている。

 その中核こそは、水の電気分解で得られる、いわゆるクリーン水素の大増産計画だ。すなわち水素を燃料とする燃料電池車の普及についても、国家的支援が拡大するということだろう。

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