鉄道ではかつて堂々とタバコが吸えていた! 駅と車内、禁煙の歴史をたどる

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2003年5月の健康増進法施行から20年。禁煙の流れと、受動喫煙防止への取り組みは着実に広がってきた。昭和から平成・令和へと、鉄道とたばこの歴史を振り返ってみよう。

1500~1600個の灰皿があった新幹線

0系新幹線の座席に残る灰皿。半円形のものが中央の座席のもの(画像:広岡祐)
0系新幹線の座席に残る灰皿。半円形のものが中央の座席のもの(画像:広岡祐)

 東京・青梅市にある青梅鉄道公園では、往年の新幹線電車を見ることができる。開業当時の転換式シートが残されていて懐かしい。保存された鉄道車両の多くは火災防止のために灰皿が撤去されているのだが、この車両は当時のままである。

 通路をはさんで2人がけ、3人がけの座席が並ぶ。座席配置は現在と同じだが、窓の下には大型の灰皿、中央席と通路側の乗客用にも、手すりに小さな灰皿が設けられていることに注目。

 通路をはさんで灰皿が5個。この車両は15列なので、合計75個の灰皿があることになる。それだけでも驚かされるが、転換式の座席なので、座席を向かい合わせにしたときのために、よく見ると手すりの裏側にも灰皿がついているのである。1両で軽く100個を越える数になる。

 16両編成の夢の超特急は、先頭車から最後尾まで合計すると、実に1500~1600個の灰皿があったのだ。

 現在、東海道・山陽新幹線で喫煙可能なのは、N700系に設けられた喫煙ルーム3か所のみである。東京駅では、列車折り返し時間の7分間で清掃を終わらせる優秀なスタッフが世界的に知られているが、大量の灰皿の吸い殻を片づける作業のあった時代は、清掃時間の短縮にも限界があったに違いない。当時の清掃員の方々の苦労がしのばれる。

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