渋滞の経済損失「12兆円」 日本もロンドンにならい“渋滞税”導入すべきか? 30%削減の実績も 小売店のダメージ心配だ
イギリスのロンドンでは、「渋滞税」と呼ばれるロードプライシングを行って、2023年で20年になる。その効果のほどは。
渋滞税の効果と税収

その結果、ロンドン交通局は2023年2月、
・渋滞が30%削減
・平日の対象時間はゾーンの交通量が18%削減
・ロンドン中心エリアのバス移動が33%増加
・ロンドンの移動の10%を徒歩、自転車、公共交通機関に切り替えの実現
となったことを発表した。
近年は、タクシーや有償のライドシェアサービス、インターネットショッピングによる配達用バンの増加で、一般の車の減少が相殺されてこの結果になっている。
2041年までに首都の道路での死亡者や重傷者をなくす「ビジョン ゼロ」への取り組みの一環として、2020年3月、ゾーン内のすべての道路に時速20マイル(約32km)の速度制限が導入されたのだが、それによる渋滞への影響はないとされている。
この施策により、大気汚染、騒音の減少にもつながった。ロンドン市は、渋滞税として、これまで
「40億ポンド(約6700億円)」
以上の税収が得られたが、これもウオーキング、サイクリングと公共交通へのシフトに使用されたと報告している。