「僕はガソリン臭いクルマが好き」 2019年・豊田章男氏の“本音”にみる自動車メーカーの理想と現実、EV礼賛社会で考える
豊田章男氏は2019年、「野性味あふれるクルマが好きなんです」と本音を語った。その背景から、自動車メーカーの理想と現実、日本企業の行く末を考える。
日本のユーザーを最優先に
話が横道にそれてしまった。
今後、わが国の自動車メーカーはどういう未来図を描いて前に進むのが正解なのだろうか。繰り返しになるが現時点で正解は見えていない。これは世界が混沌としているのだから仕方のないことである。
ただし忘れてほしくないのは、日本のメーカーである以上、
「日本のユーザーの気持ちを最優先してほしい」
ということである。
EUも北米も中国も東南アジアも大切なマーケットである。しかし大切にすべきは、日本の自動車産業をどう育て維持して行くことが未来につながるかという一点であろう。カーボンニュートラルも大切かもしれないが、それに右往左往する様は正直もう見たくない。
しっかり腰を据えて未来に向かう。それがひいては欧米のそれに負けない、
「日本ならではの自動車文化」
の継承につながると個人的には信じている。