「年収さえ上げれば、トラックドライバーは増える」は間違い! 運送業界を停滞させる複合要因、求貨求車サービスの課題から考える

キーワード :
,
「物流の2024年問題」を筆頭とする物流クライシスの解決手段として注目される求貨求車サービス。だが本当に求貨求車サービスは物流クライシスの救世主となりうるのだろうか。

ドライバーの待遇改善には原資が必要

トラックドライバー(画像:写真AC)
トラックドライバー(画像:写真AC)

 日本社会が直面している物流クライシスを甘く見てはいけない。

 なかには、

「ドライバーの給与さえ上げれば」

物流クライシスなどかんたんに解消すると言う人もいるが、そもそもドライバーの待遇改善が簡単にできないから、現在の状況があることを忘れてはならない。

 ドライバーの待遇改善を行うためには、運送ビジネスの効率化と生産性向上を図り、待遇改善のための原資を生み出す必要がある。求貨求車サービスは、その手段のひとつなのだ。

 もうひとつ言っておきたい。

 現在、さまざまな企業が求貨求車サービスというビジネスに参入しているが、なかには

「取引の上前をはねられる」

ビジネスマッチングサービスはおいしいという、ビジネスモデルとしての魅力から参入している事業者もいるように筆者は感じる。

 求貨求車サービスを事業として営むのであれば、本稿で指摘したような課題も考慮した上で、物流クライシスの解消に貢献できるよう、努力してほしいものだ。

全てのコメントを見る