「年収さえ上げれば、トラックドライバーは増える」は間違い! 運送業界を停滞させる複合要因、求貨求車サービスの課題から考える

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「物流の2024年問題」を筆頭とする物流クライシスの解決手段として注目される求貨求車サービス。だが本当に求貨求車サービスは物流クライシスの救世主となりうるのだろうか。

求貨求車サービスはダンピングが前提

トラック輸送の高速道路(画像:写真AC)
トラック輸送の高速道路(画像:写真AC)

 求貨求車サービスを利用する上で、この現状は致命的である。

 というのも、求貨求車サービスの利用者は

「赤字覚悟のダンピング運賃」

でも、案件を取りに来る運送会社がいることを前提に、求貨求車サービスを利用せざるを得ないからだ。

 もちろんなかには、帰り荷がないから、せめて少しでも赤字幅を小さくするためには、安くても絶対に獲得できる運賃で入札したいと考える運送会社もあるだろう。

 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除された直後の2020年6月、ウェブキットにおける

・成約率:51.3%
・運賃指数:110

という、異常に高い成約率と安い運賃が成立したのは、量販店の休業などにより、開店休業状態に追い込まれた運送会社がたくさんいた結果だろう。

 だがこういった非常時ではなく、常にダンピングを前提とした入札を行う事業者がいる求貨求車サービスは問題だ。求貨求車サービスを使うと、

「取りあえず積載効率は上がるけど、もうからない」

となりかねないからである。

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