「ろくな運送案件がない」 物流“求貨求車サービス”が抱える大きな問題、運賃の地域格差も浮き彫りに 帰り荷少なきゃ赤字覚悟の現実だ
「貨物を運んでほしい荷主」と「貨物を求める運送会社」をマッチングする求貨求車サービスは、物流クライシスの救済策として注目を集めており、参入事業者も増えているが、課題も少なくない。
求貨求車サービスとは
運送ビジネスは運ぶべき貨物があって初めて成立する。貨物を運んでほしい荷主と貨物を運びたい運送会社をマッチングする仕組みでありビジネスが、求貨求車(きゅうかきゅうしゃ)サービスである。
現在、国内にはさまざまな求貨求車サービスがある。ローカルネット、ウェブキット、トラボックスなどは、もはや求貨求車サービスの老舗と言って良いだろう。
ここ最近では、物流スタートアップの参入も相次いでいる。
・スピード求車(物流不動産デベロッパー大手日本GLPの子会社モノフルが運営)
・ハコベルカーゴ(印刷工場の空きリソースをプラットホーム化したネット印刷で躍進したラクスルと、大手路線便事業者のセイノーホールディングスが共同出資するハコベルが運営)
・MeeTruck求貨求車・マッチングサービス(NIPPON EXPRESSホールディングスと、ソフトバンクの合弁会社であるMeeTruck(ミートラック)が運営)
・PickGo(ピックゴー。軽貨物自動車における求貨求車マッチングを特徴。CBcloudが運営)
また、ウェブプラットホーム上で貨物情報をマッチングするだけではなく、専任担当者が運送案件と運送会社をマッチングするエージェント型求貨求車サービス、あるいは水屋(みずや)と呼ばれる形態もある。代表格はトランコムだろう。
だが、ときとして、あくまで筆者(坂田良平、物流ジャーナリスト)の肌感覚ではあるが、特に運送会社側利用者のなかには、求荷求車サービスへの
「不満」
を口にする人も少なくない。