トラックドライバーの社会的地位向上を! それに欠かせない「3つの論点」とは? エッセンシャルワーカーは医療従事者だけではない
若年者がトラック業界への就職を避ける理由のひとつ、それが「ドライバーの社会的地位の低さである。改善に最も必要な3つの施策とは。
1)社会的認知の向上

まずは何より、ドライバーという職業への社会的認知を高めていくことが必要だ。
「職業に貴賤(きせん)無し」などときれいごとを言うつもりはない。しかし、ドライバーという
「国民生活に欠かせない職業」
が軽視されている現状は改善すべきだ。諸外国と比べて日本では特に、このような傾向が強いことも指摘しておかなければならない。
例えばコロナ禍において、社会的に必要なエッセンシャル・ワーカーに対し、マスクやワクチンを優先的に配分するなど優遇措置が提供された国が多い。
このような支援の対象となるエッセンシャル・ワーカーの範囲には、医療、介護等と並んでドライバーを含める国が多かったのだが、日本ではそのような動きは見られなかった(ただし、民間団体等によるマスク配布等の支援は行われている)。これも社会におけるドライバー軽視の現れである。
なお、ドライバーとは真逆に、無駄で社会的意味の見いだしにくい仕事もある。大企業にありがちな、無駄な会議資料を作る「パワポ職人」のような仕事が一例だ。このような仕事は、
「ブルシット・ジョブ」
などと呼ばれ、ドライバーとは逆に社会的意義が見いだしにくいものの、社会的地位も給与も高いという傾向が指摘されている。