2ちゃんねるが発祥 ライダー同士の謎あいさつ「ヤエー」とは何なのか
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発祥は80年代の米国
そもそも、ヤエーはどのようにして浸透したのだろうか。
ライダー同士のハンドサインによるあいさつは、1980年代の米国で始まったと言われている。日本国内でも同様に、バイクブームとともにライダーの間で広まっていった。今ほど一般的ではないが慣例として行われていたようだ。
しかしこの頃、加熱するバイク人気とともに危険な走行を楽しむ暴走ライダーが急増した。そうした走行を防ぐため、高校生を対象に「免許を取らせない、買わせない、運転させない」という「三ない運動」が始まった。
さらに、峠道で通行禁止規制も頻繁に行われたため、バイクブームは落ち着きを見せ、あいさつ行為自体も徐々に下火になっていった。
それでもバイク好きたちは黙っていなかった。
「あいさつがないと寂しい」
「ハンドサインをやらないと盛り上がらない」
といった思いから、昔を知る往年のライダーたちはハンドサインによるあいさつを復活させていくことになる。
ヤエーが浸透した背景
そして、ライダー同士のあいさつが再び広がり始めていた頃、ヤエーが誕生した。ネット掲示板の2ちゃんねる「バイク板」でとあるユーザーが、ハンドサインの話の際に「Yeah(イエーイ)」と書き込もうとしたところ、スペルを誤って
「Yaeh(ヤエー)」
にしたことが始まりと言われている。
その後、ネットの普及とともに「ライダー同士がハンドサインであいさつする習慣」を指す言葉としてライダーのなかで広まっていき、ヤエーが定着していったというわけだ。
最近ではバイクブームやモトブログ(バイクを主とした内容の動画)の広がりとともに、ツイッターやインスタグラム、ユーチューブで情報が出回り、ヤエーの文化が広く知られるようになった。今ではすれ違うライダー同士のあいさつとして、かなり一般的になってきているようだ。
ちなみに、パトカー乗務員や一部のバスドライバーなどがすれ違いざまに敬礼や合図をし合ったりする姿を街中でも見かける。お互いに
「お疲れさま。気をつけて」
という気持ちを込めて行っているのだろう。こういった習慣は相手を思いやる気持ちから生まれたものと想像でき、人の温かさを感じられる。