トヨタも熱視線 人工知能「ChatGPT」搭載の自動車はわれわれにどんな便益をもたらすのか

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海外メディア「The Information」が「トヨタの人気車種からAlexaが消える」と報じた。そんな同社は音声アシスタントの自社開発に力を入れており、ChatGPTとの統合を検討しているようだ。

ChatGPTのモビリティ搭載でできること

カローラの車内(画像:トヨタ)
カローラの車内(画像:トヨタ)

 車載AIとしてChatGPTを使用する際には、

1.音声認識モデルでマイク入力をテキストに変換して入力
2.テキスト読み上げツールで出力

といったツールを組み合わせる方法で、あたかも音声チャットボットかのように使用する方法が考えられるという。

 AlexaやSiriなどの従来の音声アシスタントは、あらかじめプログラムされたスクリプトに基づき回答するだけだった。人間側が機械に理解されるように会話レベルを落としてしゃべっているような節もあった。

 一方、ChatGPTは、どのような聞き方でもなんらかの回答を返すばかりか、やんわりと否定したり、ときには提案めいた返答もする。内容もジャンル問わず、今日の天気から目的地までの行き方、人生相談まで、何でもOKなうえ、多少複雑な会話も理解する。あまりの会話の自然さに、まるで本物の人間とチャットをしているような気分にさえなってしまうほどだ。

 車載用のAlexaは道路情報の取得、音楽の再生、ルート案内、電話をかける、オーディオブックを読み上げるといった役割をこなすが、ChatGPTはそれに加え、例えば以下のようなSFの世界に近いアシストができる可能性があるといわれる。

・車がパンクしたときなどのトラブル時に修理キットの使い方を説明
・プログラミングやツールと連携し、スケジュールに合わせて車庫の扉を開閉
・ドライバーの好みや運転スタイルに合わせたルートの提案
・スムーズな会話による目的地の選定
・車内パネルに警告灯が点灯した際に、その理由を聞くと車の状態を教えてくれる

 いずれは画面操作の必要がまったくなくなり、事故も減るのではとの予測もある。たとえ事故が起こったとしても、「事故だ! どうしよう?」というような自然な発話で、正しい対処法を教えてくれるだろう。「落ち着いて!」などと車に励まされる、なんてこともあるかもしれない。

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