米最大規模の自動運転シャトル実証実験スタート EV9台で始まる計画とは
イージーマイル「EZ10」とは
EZ10はバッテリーEVであり、州や連邦政府の優先事項に沿って実施される運輸部門の電化の一環だ。このシャトルバスはセンサー、カメラ、LiDARを使って複雑な環境を安全に自動運転で走行する。このシャトルバスはADA(障害を有するアメリカ人法)のもと、障害者の利用も想定されている。
またイージーマイル社はドイツの大手部品メーカー、コンチネンタルが資本参加したことでも知られる自動運転シャトルの世界的大手で、30か国以上の300以上の場所で80万km以上の自律走行した実績を持ち、レベル4の自動運転で完全な無人運転を実現している。また、自動運転車ソリューションプロバイダーとしては初めてISO9001:2015認証を取得した。日本国内においても、DeNA傘下のロボットシャトル社がEZ10を用いた実証実験を国内数か所で実施している。
関係者のコメント
AvCoプログラム主催団体の非営利団体コロラド・スマートシティ・アライアンスの事務局長タイラー・スヴィタク氏は「今日の自動運転車は、他人や交通システムとは関係ない乗り物と認識している。AvCoではこれらの技術を公共交通システムと統合し、個人や社会の利益を最大化できることを人々に体験してもらうことで、こうした認識を変えていきたいと考える」と述べ、「AvCoは、コネクテッドカーや自動運転車、公共交通機関、スマートシティなど、多くの重要な産業にとって歴史的な一歩である。ここで学んだことは、すべての人にとって、より安全でクリーンでアクセスしやすいモビリティを加速するのに役立つ」と述べた。
コロラド鉱山大学の校長ポール・ジョンソン氏は、「コロラド鉱山大学では、学生と教職員が自律システムとインテリジェントシステムの最先端の研究を行っている。今回のパートナーシップは、社会に変革的な影響を与える知識と革新を推進するという本校の使命の延長線である」と述べ、「本校は、学校とゴールデン市がこの新技術のテストベッドになることを楽しみにしており、誇りに思う。また今回の導入によって環境と人間の利益が学校、ゴールデン市、そして他の州にも拡大されるように、新たな改善やスケールアップなどの新しい開発につながるだろう」と述べた。
ゴールデン市はこのプロジェクトの成功に不可欠なパートナーで、市内の自動運転交通サービスの設計と実施を支援しており、ローラ・ワインバーグ市長は、このプロジェクトについて「ゴールデン市が、コロラド州で初めて排ガスゼロの自動運転マイクロトランジットを提供する都市となることに期待を寄せている。我々は、今回協力するパートナーや、2030年までに20%の脱化石燃料、2050年までに100%の脱化石燃料という運輸セクターのコミュニティの目標を前進させる機会となることに感謝する」と語った。
AvCoの第2段階と第3段階は、グリーンウッドビレッジとコロラドスプリングスで2022年中にそれぞれスタートする計画。シャトルとバスを異なる環境で運行し、輸送に伴う二酸化炭素(CO2)排出量を削減し、州内の異なる移動ギャップを埋める能力を実証する。
ジョン・ヒッケンルーパー上院議員は、「先進技術と革新のハブとしてコロラド州の立場をさらに支持することを誇りに思う」と述べ、「自動化と電動化は、輸送の安全性、コスト、環境への影響を改善する有望な機会である」と述べた。ヒッケンルーパー上院議員はコロラド州で自動運転車を可能にし、知事時代にAvCoの道を開いた人物でもある。