オートマ限定者が“熟練ドライバー”に大変身? いま、トラックの操作性が増しているワケ
いすゞエルフが17年ぶりにフルモデルチェンジを実施した。新型トランスミッションの採用はトラックドライバーへの一助となるか。
ドライバーの運転環境を大きく改善

ちなみに重量物を積載した大型トレーラートラクタなどでは、過去から現在まで変わらず、最もトルクが出る回転域を維持するため16速といったギア数の多いトランスミッションが必要とされている。
そしてこうしたトランスミッションを的確に操作することは、熟練ドライバーのみが実践できたことであり、それは今でも基本的には変わっていない。
こうした大型トレーラートラクタの例は極端ではあるが、たとえそれが小型トラックであってもフル積載時のギア選択とシフト操作、そしてクラッチワークはそれなりに難しいものである。それを限定的とはいえ、トラック側のメカニズムの進化でドライバーの技量をカバーすることが可能となったのは歓迎すべきことである。
ISIMの構造を理解し使い方をしっかりマスターすれば、たとえオートマチック限定免許のドライバーであってもベテランに準じた運転をこなすことが不可能ではない。
小型トラックのトランスミッションの進化などは、おそらく街中でこうしたトラックを見掛ける一般の人たちにとって想像の外にある事柄に違いない。
しかしいすゞISIMに代表される技術の進化がドライバーの運転環境を大きく改善し、ひいてはトラックを取り巻く交通環境、さらには交通社会の安全性全体を向上させることに貢献することは間違いない。トラックのイージードライブ化は決してトラック業界の狭い世界のみで有意義なのではなく、社会全体に大きな意味があることなのである。