空港と騒音問題 なぜ伊丹空港は存続し、広島空港はへき地に移動したのか?

キーワード :
, ,
長距離の高速移動に飛行機は欠かせない存在だ。そんな飛行機が発着する空港にまつわる社会問題といえば、いわずもがな“騒音”である。

現在の位置に選ばれた背景

旧広島空港の位置(画像:(C)Google)
旧広島空港の位置(画像:(C)Google)

 広島西区にあった旧広島空港(1961~1993年。現・広島ヘリポート)に替わる新空港の候補地は、最終的に

・洞山(東広島市)
・用倉(三原市)
・江田島(江田島市)
・大奈佐美(江田島市)

の4か所で、洞山と用倉は内陸部に、江田島と大奈佐美は瀬戸内海の島に空港を建設する計画だった。

 このとき、環境への影響がもっとも少ないとされたのが洞山と用倉だった。両地ともに市街地からも離れていて騒音の影響が少ないと見られていた。

 対して江田島と大奈佐美は、島とはいえ市街地に近かった。また大規模な地平の改変も必要だった(大奈佐美に至っては国立公園内であった)。

 結果、騒音の与える影響も少ない洞山と用倉が残り、両者を比べた際に、予定地の標高が低く就航率の望める用倉に広島空港が建設されることになった(洞山のほうが標高が120mほど高かった)。

全てのコメントを見る