今後ますます増加する「EV車両火災」 対策を急がなければならない理由とは?
なぜ「EV車両火災」 対策を急ぐ必要があるのか。考察する。
EVは一度燃えると厄介
日本防災教育訓練センターのウェブサイトでは、EVのリチウムイオン電池の火災には、以下のような困難が伴うと解説している。
・バッテリーの構造上、セル(いわゆる電池部分)に消火のための水が届かず、消火が難しい。
・バッテリーの電解液が燃焼することで、有毒なフッ化水素ガスが発生する。
・セルを格納しているコンパートメントが燃えると、内部のセルがロケット花火のように飛び出し二次災害を引き起こす。
この解説を読むと、電気自動車の火災現場に偶然出くわしたとき、善意で初期消火や人命救出に加わることが無謀のように思えてくる。自らの命を守ることを第一とするならば、速やかに現場を立ち去るのが賢明といえよう。
日本防災教育訓練センターは、自然災害発生後のEVの火災リスクも指摘している。台風や高潮などでEVが水没した場合、バッテリーが徐々に自己発熱を起こして、時限爆弾的に火災を発生させる可能性が高いという。